第2章 教育係、がんばります!

かずみは今日に至るまで「OJT」と言う言葉を耳にしたことはあるものの、自分とは関係のない事だと思っていたため、常務の話は唐突に聞こえていた。

この30分間、息継ぎ以外は休みなく動き続けている常務の口元を見ながら、この件でこれから自分が何をすべきなのかを冷静に考えてみた。

① 来年は新卒入社がたくさんくるから、OJT(教育係)として自覚を持ってしっかり働く人間が必要

② OJT(教育係)は各部署1人づつ、総務部からは私であり

③ OJTの研修は外部の機関に行く。

④ 来年新入社員が来たときに、しっかり新人教育が出来るようになっていればいいのね!

(うん。こうやって考えてみるとそれほど重々しく考えなくて大丈夫かな)

常務の話の要点を確認したかずみは、もうある程度、心の準備が出来た。

その時、タイミングを計ったかのように常務の言葉があった

「まぁ、そういうことで、黒田さん、教育係お願いできるかしら?」

と意思確認。

「はい、わかりました。」

思わず、すんなり答えてしまった。

しかし、まるで自信があることを率先して引き受けるような、簡潔な返事をしている自分に気づき、急いでもうひとつ言葉を付け加えた。

「今まで新人教育なんて考えたこともなかったので、まずはしっかりOJTの勉強をしてきます」

「良かったわ。もちろん、これから頑張って新人教育の勉強をしてもらって、立派な教育係として成長してちょうだいね。期待しているわ!」

「あとで日程詳細をメール配信するからきちんと確認するように、お願いね。」

「では、よろしくー」

常務はひと仕事終えたかのような表情を見せながら、いそいそと会議室を出ていった・・・

第3章へ続く・・・

(注)
この小説はフィクションです。
実在の人物や企業とは一切関係ありません。